いろいろなタイプの患者に接していると、一度はコミュニケーションの取り方に悩むこともあるでしょう。患者への日常的な声掛けや治療に関する説明は、看護師にとって避けて通れないものです。しかし、患者一人一人には個性があるので、マニュアル通りには行きません。ですから、コミュニケーションを取るときには、ケースに応じて柔軟な声掛けが必要になります。そして、しっかりとした対話による円滑な意思疎通が欠かせないのです。
患者とコミュニケーションを取るときには、まず患者との視点のズレに注意しなければなりません。日頃から医療現場に慣れている看護師と、そうではない患者との間には、時折大きな認識のズレが生まれることがあります。例えば「安静にしてください」と伝えると、患者の中には「ずっと横になっていなくてはならない」と思い込んでしまう人がいます。そのため、安静を促すときには、「起き上がるのは構いませんが、歩き回るのは控えてください」など、具体的に伝えることが大切です。
それから、患者に声掛けをするときには、状況や気持ちに配慮しなければなりません。排泄のように患者の羞恥心にかかわることは声のトーンを低くして手短に話すべきですし、リハビリなどでは患者が明るく前向きになれるように、大きめの声でポジティブな言葉を掛けるようにします。さらに、状況に応じて笑顔や手ぶりなどの非言語コミュニケーションを取り入れることも、とても有効な手段です。そして、看護師は常に患者の痛みや不安に寄り添った対応を心がけなければなりません。
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