看護師の仕事は、患者の身の回りのお世話や看護をはじめ、時には患者の家族への対応など、限られた時間の中でたくさんのことをこなさなければなりません。そんな中、看護師が大切にしなければならないことの一つに、接遇マナーが挙げられます。てきぱきと仕事をこなし、時間内でやるべきことを終わらせるスキルも重要ですが、看護の対象は病人なので、患者やその家族への気遣いが感じられる接し方はとても大切になります。

病気やケガで来院する患者は、「これからどんな処置を受けるのだろうか」「先生は怖い人なのか」などの不安や心配で、落ち着かない人も少なくありません。そのため、看護師が患者に配慮した接遇を行うことで、その不安を和らげられます。淡々と業務をこなすことも大切ですが、患者に寄り添い、目線を合わせて患者の話に耳を傾けたり、不安を取り除くような言葉をかけることも、スムーズな診療には欠かせないのです。患者の気持ちに寄り添える看護師がいると、患者は病院に対して信頼感を持ち、治療に向けて前向きに取り組んでくれるようになります。また「この病院に来て良かった」と感じてもらえたり、看護師の名前を憶えてくれたりもしてくれるので、やりがいも感じられるでしょう。

看護師になりたての頃は、慣れない業務を覚えたり、知識や経験が浅いため、日々のことでいっぱいいっぱいになるかもしれませんが、患者に寄り添う姿勢は、新人であろうとベテランであろうと、十分に伝わるものです。看護師の仕事には、適した治療を行うためのサポート以外にも、目に見えないスキルが求められるので、ぜひ接遇マナーも身につけるようにしてください。